手記バックナンバー
2005年07月
7月7日
2005/07/07
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埋もれ木
封切りから2週間あまりになります。この間、「埋もれ木」を多くの人たちが見てくださいました。
山田太一さんがシネマライズで見たとお手紙をくださいました。試写のご案内は差し上げていたのですが、時間が合わなかったとのことでした。私信ですのでそのままは公開できないのが残念ですが、私には励ましにみちたものでした。
既成の物語は抜け道がないほど使い古されていて、どこかに突破口がないのかというのが、見る者と作り手の共通した閉塞感だけれど、ここにいるよと立ち上がった前衛の勇気に敬意を表します、そんな内容でした。うれしいです。
また先週は、文化庁長官でもある河合隼雄さんが劇場まで足を運んでくださいました。河合さんには「ファンタジーを読む」という著作があり、私が前々から「埋もれ木」を見てほしいと願っていたお一人です。
「ファンタジーを読む」の裏表紙には「現実というのは思いのほかに多層性をもっている。自分が見ている『この世界』がすなわち唯一の現実だと思いこむのは浅はかすぎる」と記されています。私はまったくの同意見です。
「埋もれ木」は2週目が終わって9日の土曜日からは、シネマライズの地下の方の劇場へと移動します。
座席数はこれまでより少なくなりますが、「埋もれ木」にとっては、こちらの方が落ち着いて見やすいかもしれません。



先週末、シネマライズで石井克人監督とのトークショーがありました。
石井監督は武蔵野美術大学での、私の教え子、ということになっています。
事情はこうです。もともと私の師匠筋である浦山桐郎監督が武蔵美で教えておられて、その浦山さんが急逝してしまったために、いわばピンチヒッターとして私にお鉢が回ってきたのです。浦山さんは若い人に教えることが好きでしたが、私はどうも苦手で、自分のことで精一杯、人に教えるなどという気になれず、いやいや行っていたのです。5~6年はいたでしょうか。視覚デザイン学科というところで、卒業製作にフィルムを選ぶ学生たちが何人かいて、その面倒を見るというものでした。
石井さんは90年頃、そのゼミを取っていました。なにも教えていないのですが、石井さんは面白かったと語っていました。その石井さんも、もう四十近くになるのですね。
今週の金曜日、29日に、やはりシネマライズで、今度は明治大学の斎藤孝さんとのトークがあります。
斎藤さんは小学生にドストエフスキーを読ませたりするユニークな方で、いまや超のつく売れっ子です。じつに面白い方です。人を飽きさせません。
19時の回の上映後になりますが、渋谷のシネマライズまでお出掛けください。