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手記バックナンバー

2008年11月

トリノ映画祭

2008/11/18

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今年の春先、トリノ映画祭からこのオフィシャルサイトのアドレスに英文のメールが入りました。私の英語は中学一年生程度で、トリビュートと記されていたので、なにか私に贈り物でもくれるのだろうかなどと思ったのですが、そうではなく、私の全作品を上映したい、ついては過去、三本の映画の、英語字幕入りDVDを送ってほしい、とのことでした。以下はその後に届いた、特集上映の担当者からのメールです。私の翻訳ではありません。

私はトリノ映画祭の「ゾーン」部門キュレーターを担当しているマッシモ・カウーソといいます。既にご存知だと思いますが、11月21日から29日に行われる、26回目となる当映画祭において、小栗作品のトリビュート上映を企画していましたが、それが実現できることになりました。イタリアで小栗映画全作品を上映できることを喜び、また光栄だと考えているのは私一人ではないということを信じてください。「埋もれ木」と「眠る男」(90年代から今日までに製作された日本の映画で最高峰の映画)は 大変、気に入りました。そして、最近、他の三作品全て観ましたが、それらによってあなたに対する敬意は揺るぎないものとなりました。そういう意味でも、今回のトリビュート企画は非常に光栄なことです。 さらに、今回、メールをさし上げたのは自己紹介も兼ねてはいますが、映画祭にゲストとしてご招待さしあげたいからでもあります。あなたの参加はトリビュート企画にとって非常に意義のあることですし、観客にとりましても、映画を通してだけでなく、あなたに直接会い、人柄を理解してもらうことも大切だと思っておりますので、ぜひともご参加ください。

ありがたいことですので、行ってきます。このところ韓国、イタリアと回顧上映のようなことが続き、どうも死んだ人みたいでいけませんね。早くに次をと考えてはいるのですが、それがなかなか、、、

新日曜美術館

2008/11/13

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来週の日曜日、十六日に放送されるNHKの「新日曜美術館」に出演しています。デンマークの画家、ヴィリアム・ハンマースホイ(1864~1916)展が東京・上野の国立西洋美術館で開かれていて、その特集企画です。日本ではこれまであまり知られていない画家で、私も初めて聞く名前でした。有名な画家ではあったらしいのですが、没後、急速に忘れ去られ、近年、その回顧展がパリ、ロンドンなどで開催されて大きな反響を呼んでいるとのことです。NHKのディレクターの方から、ハンマースホイを見て、私の映画を思い浮かべたと、誘っていただきました。絵画について論じられる立場にはありませんが、見せていただいてとても面白かったもので、番組に関わらせていただくことになりました。ハンマースホイの絵画から、私は現代映画の沈黙、静止といったことを感じ取ったように思います。室内画が多いのですが、女の人が後姿で立っているいくつかの絵は静謐そのもので、映画的な想像力をかきたててくれます。

一昨日、ソウルから戻りました。アシアナ国際短編映画祭で審査委員長を務めてきました。ジュリーは「鳥肌」「青燕」のユン・ジョンチャン監督、売れっ子の音楽監督、チョ・ヨンウクさん、MKピクチャーズのシム・ジェミョン代表、アメリカのマイケル・アルメレイダ監督でした。マイケルさんは「ハムレット」を現代のニューヨークに置き換えて映画を撮った監督です。私は見ていなかったのですが、独自なリズムを持った優しい方で、帰国してすぐにアマゾンで彼のDVDを注文しました。チョさんからは何枚ものCDをいただいてきたので、これからそれを聞くのを楽しみにしています。シムさんは大ヒット作を連発している女性プロデューサーです。審査は、激しい自己主張をする人が一人や二人、必ずいるものですが、今回はそういうこともなく、落ち着いて話し合えたように思いました。短編は長編と比べれば制作上の制約が少ないといえるでしょう。その分、本当にやりたいことをやる、そういう純度の高い作品が多いはずなのですが、デジタルで軽便に撮れるようになったからでしょうか、ハードルの低い、だらしがないといいたくなるような短編も少なからずありました。どんなものでも、心をこめて撮る、それしかありません。

同時期に行われた私の特集は、梨花女子大学の中に今年オープンしたモモという映画館で行われました。梨花女子大の中に入ったのは初めてですが、じつにきれいな大学で驚きました。運動場だったところを掘って、ガラスの建物がその両側に、半分、地下に埋まったように建てられています。ここにフィットネスクラブからブティック、映画館などの商業施設まで入っているのですから日本ではちょっと考えにくいですね。でも女子大生はあまり映画には来てくれていなかったようです。アン・ソンギさん、イ・チャンドン監督と対談をしたのですが、韓国の映画人はいつも真摯で、励まされることが多いです。

 

映画作品

埋もれ木

2005年度作品

眠る男

1996年度作品

死の棘

1990年度作品

伽や子のために

1984年度作品

泥の河

1981年度作品

DVD・書籍

「埋もれ木」DVD

小栗康平監督作品集 DVD-BOX

書籍紹介

小栗康平プロフィール

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