小栗康平 手記

7月7日

2005/07/07

封切りから2週間あまりになります。この間、「埋もれ木」を多くの人たちが見てくださいました。
山田太一さんがシネマライズで見たとお手紙をくださいました。試写のご案内は差し上げていたのですが、時間が合わなかったとのことでした。私信ですのでそのままは公開できないのが残念ですが、私には励ましにみちたものでした。
既成の物語は抜け道がないほど使い古されていて、どこかに突破口がないのかというのが、見る者と作り手の共通した閉塞感だけれど、ここにいるよと立ち上がった前衛の勇気に敬意を表します、そんな内容でした。うれしいです。
また先週は、文化庁長官でもある河合隼雄さんが劇場まで足を運んでくださいました。河合さんには「ファンタジーを読む」という著作があり、私が前々から「埋もれ木」を見てほしいと願っていたお一人です。
「ファンタジーを読む」の裏表紙には「現実というのは思いのほかに多層性をもっている。自分が見ている『この世界』がすなわち唯一の現実だと思いこむのは浅はかすぎる」と記されています。私はまったくの同意見です。

「埋もれ木」は2週目が終わって9日の土曜日からは、シネマライズの地下の方の劇場へと移動します。
座席数はこれまでより少なくなりますが、「埋もれ木」にとっては、こちらの方が落ち着いて見やすいかもしれません。

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