小栗康平 手記
邑(むら)の映画会
2008/10/28
群馬県の南西部にある邑楽町(おうらまち)で、表記の映画会があります。おうら、とはなかなか読めませんが、邑は「むら」「村」と同義でもあるので、こういうネーミングになりました。二年前、邑楽での小学校が、県の「映像教育実践指定校」になって、以来、私も何度となく関わりをもってきました。とても熱心な教育委員長がいらして、これまでさまざまな取り組みがなされてきました。ところが昨年、県知事が交代してからは、県教委主導のこの「映像教育」がいわば格下げになって、それぞれの自主性に任せる、といった扱いになりました。一般的にいえば「映像教育」は学校現場での優先順位は低いですから、このままでは自然消滅です。であれば、せめて映画を見るチャンスだけは残そう、という意図のもとに立ち上げられた企画です。「眠る男」を製作した知事部局の生活文化課から、地域上映の支援というかたちで、幾分かの財政支援も受けているようです。
子どもに見せる、というより子どもといっしょに考える、そんな姿勢が手作りのチラシにもよく現れています。