小栗康平 手記
新作「FOUJITA」(フジタ)、クランクインです
2014/09/25
予定してこうなっているわけではないのですが、
この「FOUJITA」は、ある人から声をかけられた企画でしたが、そのときからでもすでに3年の歳月が経ってしまいました。藤田嗣治は、戦後に日本を離れてから一度も戻ることなくフランス国籍を取得して、そのまま海外で亡くなっています。
戦争協力画をめぐって、戦争責任の問題で嫌気がさしてのことだったでしょうか。それもあってか、絵画の著作権管理に慎重な方でした。この処理に時間がかかったこともありますが、それよりもなによりも以前にまして、日本の映画界の現状がどんどん悪くなってきています。私に限ったことではありませんが、まともな映画が成立できる環境にありません。
幸運にも製作が成立しました。フランスとの合作です。この先、いろいろ書いていきたいとは思っていますが、やらなくてはならないことが山ほどあって、製作発表も出来ないままクランクインしているありさまです。角川大映スタジオですでに1週間ほどのセット撮影を終えています。1923年のモンパルナスのフジタのアトリエです。オダギリくんのフランス語も立派なもので、順調なスタートを切りました。
本日、これからフランスロケに出発します。ほぼ1カ月間の予定です。
※事務局注※
9月24日より、小栗組がフランスロケに出発いたしました。