小栗康平 手記
もう四月
2013/04/02
もう四月、になってしまいました。考えにてこずっていて頭の中の時間が遅れ気味、だからなのか、春たけなわ、であることがどうも受け入れにくい。冬が寒かったせいもあったかもしれない。騙されたように一気に目の前に春が来た、そんな気がします。
いつもであれば先ず梅が咲き、さんしゅゆ、三俣などの黄色の花々がつづいて、白もくれん、しだれ桜、山桜と言った順番になるのですが、今年はどうしたこと か、これらがほとんどいっせいに花をつけています。先週の東京でしたが、桜の花といっしょに欅の新緑が見られました。きれいですが、急ぎ過ぎ、とも感じました。
東京新聞のコラムが三月で終わりました。二週間に一回の担当でしたが、四年間もやっていました。コラムをショート・エッセイと考えると、ブログに書こうとしていることと重なりがちにもなって、締め切りのないブログは後回し、でした。これからはもう少しこのブログも更新できそうです。
朝日新聞の別刷りで「be」と言う紙面があります。四月からの「映画の旅人」と言う新企画が始まり、『泥の河』を取り上げたいと取材を受けました。四月十三日土曜日の掲載予定だそうです。二ページの分量とのことで、さてどのように書かれているものなのか。今もなお、なのか、未だに、なのか、『泥の河』なのですね。複雑です。