DVD

小栗康平コレクション1『泥の河』

あの時少年時代は終った。
いま、痛みの源流に遡りたい。

まだ焼跡の臭いを残す河っぷちで、食堂を営む家族がある。その一人息子である信雄は、ある雨の早朝、橋の上で鉄屑を盗もうとする少年、喜一に出会った。雨に煙る対岸にその日つながれた、みすぼらしい宿船の少年。
舟の家には銀子という11歳の優しい姉と、板壁の向こうで声だけがする姿の見えない母がいた。友達になったことを父、晋平に話すと、夜はあの舟に行ってはいけないといった。窓から見える船の家が信雄を魅惑し不安にする――。

芥川賞作家・宮本輝の処女作を原作に、少年少女たちのひと夏の出会いと別れを切々と描いた小栗監督デビュー作『泥の河』と、前田英樹氏による作品解説と対談を収録した書籍をミックスした、豪華仕様による愛蔵版の単品DVDブックです。

DVD

『泥の河』(105分)

書籍

64ページ

■作品解説:
『泥の河』の視線(前田英樹)
■対談:
小栗康平×前田英樹
 「見るということ」
 「フレーム、啓示すること」
 「道徳と品性の系譜」

「埋もれ木」DVD

カンヌも絶賛したファンタジー映画、完全エコロジー仕様パッケージでDVD化

「埋もれ木」のの舞台は山に近い小さな町。
女子高校生のまちは、女友達と短い物語をつくり、それをリレーして遊ぶことを思いつく。次々と、紡がれる物語は、未来へと向かう夢─。
町に住む大人たちにも物語はある。でもそれらはみな、現実の歩みがつくった自分史。過去─ 。
ふたつの物語は、山、森、雨、くじら、らくだ、馬、さまざまなアイテムと出会い、ファンタジーへと姿を変える。
夢、過去、現実、未来が溶け合って、人々は、埋もれ木のカーニバルへと行きつく。

小栗監督がこの映画で選んだ題材はファンタジー。
ハリウッド映画とは一線を画した小栗流ファンタジーは、前作「眠る男」からさらに深化した設定、デジタル技術を導入した完璧なまでの映像美により、2005年のカンヌ国際映画祭にて特別上映され、大絶賛されました。
世界初の完全エコロジー仕様のパッケージ(セルのみ)、「埋もれ木」のメイキング映像も収録したDVDです。

完全エコロジー仕様パッケージ

通常、DVDの盤を設置するトレイ部分にはプラスチックを使用していますが、「埋もれ木」のジャケットは全て紙製。
地球環境保全のため大豆インクで印刷し、植林木が原料のヴァージンパルプを使用した、100%紙のパッケージです。

特典映像:「埋もれ木」メイキング

「埋もれ木」は、周囲6キロに及ぶ広大な敷地に20を超すセットを組み、2,000人を超える人々が携わって撮影されました。
どのような思いが結集して映画は作られていったのか、小栗監督自らが監修したメイキングは解き明かします。

特典映像:「埋もれ木」予告編

新作「埋もれ木」の劇場用予告編です。

小栗康平監督作品集 DVD-BOX

過去4作品と特典映像を収録した、初のDVD-BOX

新作「埋もれ木」の公開を記念して、小栗康平監督初のDVD-BOXが発売されました。
「泥の河」「伽倻子のために」「死の棘」「眠る男」の過去4作品と、作品解説、未公開写真を盛り込んだ特製ブックレットを同封。
そして、今回のDVD-BOXのために新たに作られた映像の対談「小栗映画の作られ方」、「眠る男」のメイキング、「埋もれ木」予告編を収録した特典ディスクの合計5枚のDVDが豪華BOXに封入されたDVD-BOXです。

DVD-BOX 小栗康平監督作品集

販売元:松竹株式会社ビデオ事業室

泥の河

「泥の河」

自主製作、自主公開という小さな取り組みから始まった「泥の河」は、欧米はもとより、旧ソ連邦、中国やアジア諸国にまでその配給をひろげて、製作から20年以上経た今日でも、名作として語り継がれている小栗康平監督の第1回監督作品です。
宮本輝の処女作を原作に、少年少女たちのひと夏の出会いと別れが切々と描かれました。

●本編:103分 ●日本映画 ●モノクロ ●日本語(オリジナル)ドルビーデジタル ●4:3スタンダード ●字幕なし/片面一層/MPEG-2/複製不能  ●リージョン2(日本市場向)

伽倻子のために

「伽倻子のために」

「伽倻子のために」は、在日朝鮮人作家、李恢成の同名小説を原作に、在日する韓国・朝鮮人青年と日本人少女との愛と別れを描いたものです。
差別問題を声高に告発するのではなく、真摯に生きる青年と少女の、悲しみの素顔と呼べるような表情を慈しみをもって描きました。
その透き通るような描写は、これまでの日本映画には見いだすことができなかったものでした。

●本編:117分 ●日本映画 ●カラー ●日本語(オリジナル)ドルビーデジタル ●4:3スタンダード ●字幕なし/片面一層/MPEG-2/複製不能  ●リージョン2(日本市場向)

死の棘

「死の棘」

「死の棘」は、島尾敏雄の純文学の極北と称された同名小説が原作です。
映画化は困難といわれていた小説でした。
妻の精神の壊れに向き合いつづける夫という私小説的素材を、ノーメイクの松坂慶子と岸部一徳が演じて、カンヌ国際映画祭で「グランプリ・カンヌ1990」「国際批評家連盟賞」をダブル受賞するという快挙を成し遂げました。

●本編:115分 ●日本映画 ●カラー ●日本語(オリジナル)ドルビーデジタル ●16:9LBヨーロピアンビスタ  ●字幕なし/片面一層/MPEG-2/複製不能 ●リージョン2(日本市場向)

眠る男

「眠る男」

「眠る男」は、初のオリジナル脚本で、製作は群馬県でした。
行政が発意して製作費の全額を税でまかなうという日本では前例のない取り組みで、社会的にも大きな関心を集めました。
その後「眠る男」が前例となって、多くの地方自治体による映画支援が実現しています。
映画は動かず語らない、眠る男を主人公に据えて、中山間部の風土と人のありようを静かに描いています。

●本編:103分 ●日本映画 ●カラー ●日本語(オリジナル)ドルビーデジタル ●16:9LBヨーロピアンビスタ  ●字幕なし/片面一層/MPEG-2/複製不能 ●リージョン2(日本市場向)

特典映像

特典映像

対談「小栗映画の作られ方」

「死の棘」「眠る男」の美術監督を務め、日本映画美術監督協会の会長でもある横尾嘉良と小栗康平監督が、4作品の美術デザイン資料をもとに、小栗映画はどのように作られ、そのスタイル、文体はどのように変化してきたかを、映画作りの現場から解き明かします。

●56分 ●特典映像 ●カラー ●日本語(オリジナル)ドルビーデジタル ●4:3スタンダード ●字幕なし/片面一層/MPEG-2/複製不能  ●リージョン2(日本市場向)

「眠る男」メイキング

半年間にわたる「眠る男」の撮影のなかで、スタッフが随時撮りためてきた膨大なハイエイト映像を編集。
ワンカットを撮るためにスタッフがどれだけの準備をしているか、映画作りはどれほど人間の英知とこころが込められたものかを感動的に描いています。

●43分 ●特典映像 ●カラー ●日本語(オリジナル)ドルビーデジタル ●4:3スタンダード ●字幕なし/片面一層/MPEG-2/複製不能  ●リージョン2(日本市場向)

「埋もれ木」予告編

新作「埋もれ木」の劇場用予告編です。

●予告編約2分 ●特典映像 ●カラー ●日本語(オリジナル)2.0chドルビーステレオ ●16:9LBヨーロピアンビスタ  ●字幕なし/片面一層/MPEG-2/複製不能 ●リージョン2(日本市場向)