小栗康平 手記

RE・あけましておめでとうございます

2006/01/03

一日にアップされるように手続きだけは済ませた、つもりでしたが、公開日指定、というのが誤っていたようで、今日、実家から戻りマニュアルで一日分をアップしたところです。年初めからつまずいて、なんだか前途多難な感、ありです。
昨年は「埋もれ木」でお付き合いいただき、ありがとうございました。映画は原稿と違って、いったん自分の手を離れると、もうなにひとつ触ることも変更することも出来ません。こうだったかもしれない、そう思うところもなくはないのですが、文字通り後の祭り。祭りは終わってしまったのですね。条件が整えば残されたと思える宿題を次作ですぐにとりかかりたいところですが、これがなかなかに簡単ではありません。でもこれまでのように時間ばかりかけてはいられなくなりました。私も六十代です。針の穴でも通して、チャンスをつくっていこうと思います。
一昨年から小学校での「映像(映画)教育」の試みを始めています。群馬県の教育委員会がようやっと重い腰を上げて、昨年は二校の教育実践校を定めて公開授業までこぎつけました。対象は六年生で、総合学習の時間を二十何時間、映像の学習に振り当てています。もちろん教えるのは学校の先生たちですが、私はそのサポートです。二年間、先生方に「映像」について学んでもらいました。今年はある程度、汎用性のあるカリキュラム作りまでもっていきたいと考えています。
なんでそんなことを、と思われるかもしれませんが、ここまでだらしのない映画、映像が氾濫していくことに耐えられないからです。映画が商業として質的な幅をもっていたときにはことさら映画、映像の学習をしなくてもおのずと育つなにものかがありました。今はそれが奪われてありません。そのひずみはより小さな子に集中していくでしょう。映画はもとよりバーチャルな世界ですが、であるからこそそこにどんな感覚が潜んでいるかを伝えたいと思います。折にふれ、これからも書いていきます。

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